本当の自分を目覚めさせる

本当の自分を目覚めさせる

「『本当の自分』を目覚めさせる」

~あなたの本気度が人生を変える~

 

あなたが友達とレストランに食事に行った時、あなたがメニューを見て、注文しないと料理はやってきません。

店員さんが〈ご注文はいかがなさいますか?〉とたずねた時に、「私はナポリタンです」と言葉に出した瞬間に、あなたの望みが現実向けて動き出します。

『頭の中で考えているだけ』と、『考えていることを言葉にする』とでは大きな違いがあります。

 

 

よく悩んでいる時というのは、頭の中でグルグル考えたりします。考えても答えが出なくて、毎回同じ事を考えていることもあるでしょう。

 

紙に書き出してみると、少し頭の中が整理された感じがするかもしれません。新しい考え方を書くと「ああ、そういうことか」「そんな考え方もあったんだ」と何かに気づくかもしれません。

 

そして、カウンセリングの場や、親しい人に話すとどうなるのでしょうか?

もしかしたらその内容は、誰にも話した事がなかった内容かもしれません。「こんなこと話したら変に思われるかも」そんな思いを抱きながら言葉に出すのは、とても勇気がいることでしょう。

 

思っていることを『心の中にしまっておくこと』と『言葉にして、自分の思いを外側に出すこと』は

大きな違いがあります。

 

言葉に出すと、今まで心に秘めていたことを外に出した、という感覚が沸いてきます。

それは、自分の思いや気持ちを大切にしたことになります。つまり自分自身を受け入れ、大切にしているのです。

言葉にして、改めて自分の耳で聞くことにより「ああ、自分はそう思っているんだ」と再認識したり、「あっ、自分はこんな事を思っていたんだ」とハッとさせられたりします。

 

 

例えば、相手が目の前に居ると想像して、相手に思っていることを伝える、というイメージワークを行うとします。次のような内容です。

友だちのお菓子がなくなって、友だちはあなたが食べたと決めてかかり、あなたは責められました。

その時は何も言えずに終わり、そのことを思い出すとモヤモヤした気分になります。

 

カウンセラーはそんなあなたに対して〈今目の前にその相手がいます。今のあなたなら、その人に何でも伝えることができます。言いたいことを伝えてください〉と言います。

 

そこである人は「『そんなこと言われて悲しかったよ』という感じですかね」と恥ずかしそうに、小さな声で言ったとします。

もう一人の人は「そんなことを言われて、私は悲しかったの!」と相手が今まさにそこにいるように、大きな声で、言葉に思いを込めて言い切ったとします。

 

前者は、自分の意見はやっぱり主張しちゃいけない、自分の意見を出すのは恥ずかしい、大切にされない、と無意識で思っているのかもしれません。

後者ははっきりと言葉に力を込めているので、自分自身に対する認識が変化してきます。

「あれっ、今まで自信がなくて、自分は価値がないと思っていたけれど、もしかして自分は価値がある人間なのかな。あれ、自分の思っていることって伝えていいの」そのように、言ったことにより、考え方が変化していきます。

 

もし演劇の舞台を見に行った時、その役者さんが、恥ずかしそうにして、小さな声で話していたらどうでしょうか? おそらく観客であるあなたは、感情移入できないでしょう。

そうではなく、その役者さんが、その役になりきって真剣に演じたら、あなたは引き込まれていくでしょう。

 

イメージワークで言葉にする時は『思い切り』が大事です。

しっかりとした声で、自分の想いを言葉に込めて出すと、それで自分の意識が変わります。

はっきり言うと、自分自身で「自分の思ったことは言ってもいいんだな」「自分音気持ちは大切にしていいんだ」というように、自分に対する認識がどんどん変わってきます。

 

やってみる時に、恥ずかしさがある時は、やっても変化は少しです。

ですが思い切ってやってみると、色々な変化が生じます。

 

 

 

前半は『未来の自分』とのメッセージのやり取りを、イメージワークで行いました。

人というのは時間と共に、様々な成長をしていく生き物です。

 

小さいころは字も上手く書けなかったけど、だんだん字も丁寧に書けて、漢字も多く使えるようになります。

言葉も色々と覚えていきます。

勉強も最初は簡単なものから始まります。中学校、高校に行くとどんどん難しい内容になります。

身長は子どもの時は小さかったけれど、年齢と共に身長が伸び、だんだん目線が高くなってきます。気が付くと周りの大人と同じぐらいの高さになっています。

社会人になって最初の頃は敬語もどう使っていいのかわからなかったかもしれませんが、だんだん自然に使えるようになってきます。

 

人というのは変わってないと思っていても、3年前、5年前、10年前と比べると、ずいぶん大きな経験をして成長しているものです。

当時はどうしていいかわからないような困難があって、とても乗り越えられないと思っていても、あとから振り返ってみると、「あの時はもうどうにもならないと思ったけど、よく乗り越えたなぁ」と懐かしくも思ったりします。

 

そして、今から10年後、20年後、30年後のあなたは、色々な事を経験し、今よりももっと多くの事を学び、それが知恵として身についていくのです。

未来からみれば、今はとても困難な状況に置かれていて希望が見いだせないと思っていても、未来からみればそれは通過点であり、そこで大きく成長したり、それを乗り越えたことで自信を手に入れた出来事、と捉えることができたりします。

今回は30年後の自分を設定して行ってもらいました。

 

人は悩んでいる時は、現在の短い範囲に焦点が当たってしまいますが、過去、現在、未来という幅広い時間軸でとらえた時に、また違った見え方ができるものです。

 

不思議なことに、未来の自分をイメージすると、今抱えている問題を乗り越えていく姿が想像できたりします。

心の底では、そういう出来事を乗り越えられると思っているのでしょう。

 

人というのは、成功よりも失敗の方が多くのことを学ぶ事もあります。

スポーツなどでは、力が拮抗したライバルがいた方が、相手を乗り越えるために色々な工夫をして、能力が伸びたりもします。

今までの経験からでは上手く行かないからこそ、新しいやり方を模索するのです。そこで大きな気づきがあったり、今までにない方法を見出したりするのです。

 

大きな失敗、挫折は、その人の可能性を引き出すチャンスとなります。新しいやり方を手にするためには、混乱が必要です。混乱が大きければ大きい程、今までの考え方、やり方を抜本的に変えていかなくてはなりません。だからこそ、大きく変化し、物事の見方、考え方が変わる程の成長が訪れるのです。

 

 

 

後半は『ゆるし』をテーマに行いました。

 

ある人とのやり取りで、言いたいことが言えずに終わって、その事をふと思い出してしまうことだったり…

ある人に対して、ネガティブな感情を持ち続けていて、いいかげんそれをやめたい、などを扱いました。

 

このワークをやって上手くいけば、その相手を思い出しても、あまりネガティブな感情が出てこなくなったり、

もう昔のことだなぁ…なんて感じたりします。

今回はそれが上手くできた人がいた一方で、「なかなか許せないですね」「根が深そうです」という方も、いらっしゃいました。

 

ワークをやって上手く行かなければ失敗か、と言われれば、そんなこともありません。

そう簡単に許せないのであれば、そこには何か自分が大切にしている価値観に反したことが起きているからです。それは何かを明らかにしてくのもいいでしょう。

 

また、それだけすぐに「ゆるせない」という事は、自分のことをちゃんと扱ってほしい、つまり、自分自身を大事にしたい気持ちの表れです。

「ゆるせない」気持ちが強ければ強いほど、その裏には自分のことを大切にしたい、という気持ちが隠されています。

怒り、恨み、妬み、悲しみ、寂しさ…そのような感情が芽生えるということは、自分自身を大事にしたい、という気持ちの表れと言えます。

だからそのような気持ちをたくさん抱いている人は、それだけ自分の存在を心の奥では認めているのです。

だから安心してください。

 

相手を許すことが難しければ、まずはネガティブな感情を抱いていた自分自身を認めてあげましょう。

「そっか、自分は怒っていたんだ。そんなことをされれば怒るのも無理はないな」と自分のことを認めてあげるのです。

「どんな感情もあっていいんだ」と自分がそのような感情を感じることを許してあげれば、自分自身の価値観や大切にしたいことに気づき、色々なことが紐解けてきます。

最初から「ゆるす」ことは必須ではありません。色々な事を紐解いていけば「ああ、そういう事だったんだ」と腑に落ち、自然とその出来事を手放そうという気持ちが湧いてくるからです。

 

ワークがなかなか上手くいかなければ、まさにそこに大きく変わるためのヒントがあるので、そこを丁寧に扱っていくといいでしょう。

 

 

毎回この集団療法に参加されている方は、毎回自分の色々なことに気づいていかれます。

「自分ってこんなことを考えていたんだ」「こんな事が嫌だったんだ」など、パズルが解けていくように、

自分自身のことに気づいていかれます。

そして、「これからはこんな風に生きて行きたい」と自分の進む方向性が見つかった時、目が輝き、明らかに雰囲気が変わってきます。

 

ワークで上手く行ったこと、行かなかったこと、そのどちらであっても全てが自分らしさに気づくためのヒントになっています。

どんなものが出てきてもいいから、自分という人間に向き合ってみよう。その覚悟ができて自分自身に真剣に向き合った時、人生は大きく開けていくのです。