加害強迫の認知行動療法4

加害強迫の認知行動療法4

加害恐怖の認知行動療法④ ―ノーマライゼーション―

ノーマライゼーションとは 加害恐怖の主な困りごとは、人を傷つけてしまうイメージや衝動が頭から消えてくれないことです。このような強迫観念が頭に浮かんできてしまうことが、当事者の苦労の中核にあります。強迫観念は、強迫症の人に特有の体験のように思われますが、実は、近年の研究によれば、「意に反した不快な考えが侵入的に頭に浮かぶ」という強迫観念のような体験は、多くの健常者でも体験していることが明らかになっています。このように、「強迫観念のような思考を体験することは、ノーマルな体験である」ということを患者に伝える治療者の配慮・説明のことをノーマライゼーションといいます。ノーマライゼーションを行うことの目的は以下の通りです。

 

・強迫観念に対して、過度にネガティブな解釈をさせないようにするため

・強迫観念が浮かぶことに関して、患者が自分自身を責めないようにさせるため

・科学的視点から、強迫症のメカニズムを理解させていくため