いろいろな状況にこころの免疫をつけよう

いろいろな状況にこころの免疫をつけよう

いろいろな状況に免疫をつけよう

~心の予防接種~

この季節になると、インフルエンザが流行り始めます。

人によってはインフルエンザにかかりにくくするために、予防接種を接種する人もいます。

予防接種とは、毒性を弱めたり、無毒化した病原体(ウイルスや細菌)を投与して、身体に免疫を付けさせます。そして同じような病原体に触れた時に、正常な免疫反応により、かかりにくくすることです。

人は様々な出来事を経験することで、色々対応できるようになります。

まずは失敗してもいいから、色々な経験をすればいいでしょう。

温泉卵を作ろうとして、作ってみたら普通のゆで卵ができたとします。

そこで考える訳です。「温泉卵はもっとトロトロなのに、どうしてこんなに硬くなったんだろう」「これはゆでる時間が長すぎたんだな、もう少し短めにしてみよう」

そのように試行錯誤して、ちょうどいい時間を見つけだします。インターネットなどでの情報も総合して、次第にベストなタイミングが掴めるようになります。

このように経験を通して学んだことは、1つの知恵となります。

今回は、不安や恐怖を感じる状況に対して、その感覚を変化させていくアプローチを行いました。

トラウマレベルではない、ある程度軽めの不安を和らげるのには効果的な方法です。

ジョゼフ・ウォルピが考案した、系統的脱感作法という方法です。

不安を感じた場面は、身体にも力が入り緊張しています。いっぽうリラックスして安心した状態では、身体の力が抜けて、筋肉も緩んでいます。

不安な場面であっても、身体の力が抜けていけば、自然と不安も下がり気持ちもリラックスしていきます。

その原理を用いています。

例えば高所恐怖症、人混みが苦手、人前で話すのが苦手…

そのような単純な恐怖症を扱っていきました。

まず最初に、不安階層表と呼ばれる、不安を感じる場面を3つ設定しました。

例えば、人前で話すのに緊張してしまう場面であれば

・軽い不安を感じる場面は「友達数人の前で、話している時」

・中程度の不安を感じる場面は「上司など、目上の人と話している時」

・強い不安を感じる場面は「10人以上いる、会議の場面で話している時」

このように3段階を設定しました。

それとは別に、リラックスしたり、安心できる場面も設定しました。

例えば「森の中で深呼吸している」「親しい友達と楽しい話をしている」など、その人がリラックスや、安心できる場面であれば何でもいいです。

最初は、リラックス・安心できる場面を体験します。身体の力が抜け、様々な血管が広がるため、血流がよくなり、身体がポカポカしてきます。

それから、軽い不安を感じる場面を体験します。しばらくして不快な感じが出てくれば、リラックス・安心できる場面を体験します。

何度もその2つの場面を行き来して体験していると、しだいに不安感が下がっていきます。

そして、最初不安だった場面を体験しても、もう大丈夫となったら次の場面を体験します。

中程度の不安を感じる場面でも、同じようにその場面で大丈夫と思えるまで行います。

それも大丈夫になれば、強い不安を感じていた場面を行います。

軽い恐怖症であれば、苦手だった場面でも、これでよくなってしまいます。

これでも、どうしても不安が下がらない場面があるならば、もっと不安を感じさせるための、信念・価値観が影響を及ぼしているので、そこを扱うといいでしょう。

それをしっかり扱った時、何かからすーっと解放されるような感覚が得られることでしょう。