催眠療法についてのQ&Aは千葉市の精神科、千葉駅前心療内科(メンタルクリニック)へ

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催眠療法についてのQ&A

Q1:催眠とは?無意識とは?

●催眠について

「催眠」ってきくと、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
「なんだか怖い」「自分の意思とは関係なしにコントロールされそう」など思われるかもしれません。
まずは、催眠がどのようなものなのかを、安心してもらえるように説明したいと思います。

催眠とは『リラックスした状態で、その人の深い部分にメッセージを届けて、行動、考え方を変えたり、症状をなくすこと』を目指します。

催眠を考える上で、理解しておくといい考え方があります。
それは心理学で言う「意識」「無意識」という考え方です。
普段、私たちが考えていて、意識できる部分は「意識」レベルの部分になります。
「あの雑誌で見た服を買いたいな」「人前で話すのは苦手だな」など、意識すればすぐに思いつく考えがこれにあたります。

それに対して、普段自分がどのように考えるか、意識できていない部分を「無意識」と言います。

私たちは普段色々なことを経験しています。
そのような経験から、あることを学び、自分を自動的に動かすプログラムとなります。

例えば、小学生の時に学校でいじめられたとします。そうすると、「人って怖いものだから、簡単に信用しちゃいけない」というプログラムが作られます。人を信用しないで、距離を取ることで、自分の身を守るようになるのです。
このようなプログラムは自分が気づかない限り、自動的に働き続けます。

このプログラムが自分の邪魔になるかと言えば、そうではありません。
いわゆるトラウマと言われる出来事も、同じようなひどい体験をしないために、本能的にその出来事を覚えているのです。そして、自分の身を守るために似たような状況になるのを避けようとするのです。

しかし、様々な場面でそのプログラムが日常生活に支障をきたす場合があります。
過去に人から裏切られて『人は信用しちゃいけない』というプログラムを持ち続けていると、どんな人も疑って、距離を取ってしまったり、人と親密な関係を気づけなかったりします。

盲目的に『人は信じていい』だと、詐欺などが多い現在、もしかしたら騙される可能性もあるので、現実に上手く対処できるプログラムにしておくのがいいでしょう。
例えば『世の中には良い人もいれば、悪い人もいる』『信用できる人、できない人を見極めて、信用できる人とは深く関わろう』というプログラムであれば、日常生活を適切に遅れるでしょう。

「意識」レベルは、浅い部分にしか影響を及ぼさないので、変化がゆっくりだったりします。
「意識」レベルとは、主に頭で考えて、判断する部分です。
「頭では、世の中は悪い人ばかりではなく、いい人がいるっているのはわかるけど、でもやっぱり人言ってることが、どこかで信用できなくて…」というのは、頭で考えて理解しようというレベルです。

人の多くを動かしているのは「無意識」レベルの深いプログラムになります。
「無意識」レベルで納得すると、言葉ではなく、自然に「この人は信じない方がいいけど、この人の言ってことは信じていい気がする」と深い部分で自然に受け入れているのです。腑に落ちる、というのが適切かもしれません。

ではどうすれば「無意識」レベルにアクセスできるのでしょうか?
普段頭が働いて考えている間は、そのプログラムにアクセスしにくいです。

「無意識」レベルのプログラムにアクセスするのは、頭で考えるのを止めた時なのです。
普段は「無意識」レベルに続く扉は閉じられているのですが、ぼーっとしていたり、うとうとしていたり、リラックスしている時には、その扉が開きます。

いわゆる「催眠状態」というのは、リラックスして、身体の力が抜け、少しぼーっとしている状態です。その状態の時には「無意識」レベルにメッセージを届けやすくなります。 そして、考えを変えたり、価値観を変えたり、過去のトラウマ的な出来事も上手く処理することも可能になります。
だからといって、その人が大きく変わって別人になってしまうことはないので、それは安心して下さい。
人は生まれてから現在に至るまで、様々な体験をして、多くのプログラムによって、今のあなたが形作られています。一部を変えることで、でも変化が起こっていくのです。

Q2:催眠にかかりやすいとはどういうことか

●催眠にかかりやすい人はどんな人

催眠のかかりやすさは、その人の心理状態が大きく影響します。
まず、かかりやすい人は「催眠を受けることに関心がある人」です。元々、催眠にかかることに関心があるので、ある程度の誘導でその状態に入っていきます。
また、普段から色々想像するのが好きな人、本はTVドラマなどで感情移入しやすい人は入りやすいといえるでしょう。

●催眠にかかりにくい人はどんな人

逆に、催眠にかかりにくい人は、「催眠を受けることに抵抗がある人」「催眠が怖いと思っている人」です。催眠は無理やりかけるものではありません。その人が、あくまでもその状態に入ってもいい、と思った時、その状態に入っていきます。
また、普段から人といると身構える人、なかなか人に本心を見せない人も、催眠に入るのは時間がかかるでしょう。

催眠は慣れの要素もあります。一度体験して「ああ、催眠ってこういう感じなんだ」とわかれば、繰り返すごとに、どんどん早く催眠状態に入れるようになります。

Q3:催眠療法の実際のプロセスは?

●催眠の流れ

催眠に入るために、リラックスできるように誘導していきます。
身体の力が徐々に抜けていくイメージや、エレベーターでどんどん下の階に降りていくイメージなど、リラックスしていくイメージを伝えていきます。
徐々に身体の力が抜け、寝る前の状態のようになります。多くの方は、目を閉じた方がリラックスしやすいようです。

何か知りたいことを尋ねたりします。
「その症状は何を伝えているのでしょうか」と尋ねたり、「それに関して、何か思い浮かんだことを教えてください」など、催眠状態に入ってもらいながら、その時々の質問に答えてもらうやり方もあります。
また、催眠状態に深く入り、その状態に使っていたいのであれば、事前にお聞きした、なりたいイメージを達成している状態を、暗示として言葉で伝えていきます。こちらは、目をつぶって、聞いているだけでいいです。

催眠状態に入っている時は、身体の力が抜けていきます。日常生活に戻るためには、催眠状態を覚ましていく必要があります。少しずつ、身体に力が戻っていくように伝えたり、だんだんと意識がはっきりしていくように伝えます。そして、自分のタイミングで目を開けていきます。
夢を見ているけど、朝起きる時間だから目を覚まそう、というようなあの感覚です。

催眠状態の時に「寝てしまった」とか「何か言われたのは所々覚えている」という方がいますが、それでも全く問題ありません。メッセージは「意識」ではなく、「無意識」に届けていますので、覚えていなくても、それはしっかりと伝わっています。

何度も体験された方には、自分で「無意識」と伝わる方法をお伝えします。
今抱えている身体の症状がどうしているのか、この不快な感情がどうすれば楽になるのか、など慣れれば自分で分かるようになります。

いかがでしょうか?
催眠というのは、特別の状態というわけではない、とてもリラックスしていて、イメージをふくらませやすい状態と言えます。
これを読んで興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。