強迫性障害と完全主義
完全主義に対処する ①
完璧主義の人は、生活のなかで様々なトラブルを抱えてしまいます。さらに完璧を目指す人は、真面目で優秀な人が多い気がしますが、そうでない人に比べてうつ病や不安症にかかるリスクが高くなるようです。
完全主義になってしまった原因は様々です。幼いころに失敗して酷く怒られたり、もともと繊細な性格だったり、仕事で失敗するたびに上司に嫌味を言われてトラウマになったりと、一概には言えないでしょう。また完璧を目指している他者の影響もあるかもしれません。
これからのブログでは、完全主義に対する対処法について、執筆していきます。
完全主義に対処する ②
完全主義に対処するために、以下のように考えてみてはどうでしょうか?
例えば、本当に完璧な人間を一人挙げてください。ローマ法王? アメリカ大統領? 日本の首相?どんな人間にも長所と短所があります。どんなに「完璧」にみえる人でも、あるいはどんなに人当たりがよくても、退屈だと思われたり、恐いと思われたりすることもあります。
さらに「仕事で全くミスをしたことがない」という人がいるでしょうか?。判子を毎日押すようなルーティンの仕事であっても、せいぜいミスを犯す率は5%以上あるのが普通です。誰にでも過ちはあります。
完璧さの追求は私たちを不幸にし、恐怖心をもたらします。例えば、(完璧さが期待される)多くの演奏家には不安症がみられます。彼らは自分がミスをするのではないかと恐れています。不安が高い人は、ミスを犯したら誰にも許してもらえないと心配してしまうことがあります。
テレビをつけてみてください。ニュースを読むアナウンサーでも舌がもつれることはあるし、ときには読む行を間違えることもあります。スターであってもいつも完璧な美しさを保っているわけではありません。例えば有名なサッカー選手を考えてみてください。彼は今まで、ミスプレーをしたことがないのでしょうか?
完全主義に対処する ③
「完全なものなんて、この世にはない」そう考えてみるのも役にたいつでしょうか。
例えば、『セサミストリート』のあるエピソードでは、小さな男の子が自分の母親を必死で探しています。母親は世界で一番きれいな女の人だと男の子は言うのですが、実際の母親は年を取った、どこにでもいるような女性だとわかります。これは、完璧さというものが見る人の目によって変わってくることを示す好例です。
イギリスのスター・サッカー選手、デヴィッド・ベッカムは、世界的な大スターです。しかし彼には強迫症状があります。周りの物が左右対称に整えられていないと我慢できなくなるのです。この儀式のせいで多くの時間を無駄にし、対人関係にも問題が生じていると、あるインタビューの中で告白しています。
「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれたエルヴィス・プレスリーは、精神的な問題が原因で、長年にわたって肥満と薬への依存に苦しめられました。友人らの話によれば、晩年は金銭的な問題も抱えていたようです。
このように、本当に完璧な人っているのでしょうか?それを目指さなくてはいけないのでしょうか?
完全主義に対処する ④
完璧に見える人々に注意しましょう。
あなたが何と教わっていようと、ほとんどの状況で完璧であることは不可能であり、望ましいことですらありません。完璧と言われている人々をよく注意して見てください。毎日ニュース番組に出ているキャスターでも原稿を読み間違えることはあるし、モデルにもシワはあります。芸人でもときにはジョークがすべることもあるし、すでに述べたとおり、有名人の中にも心理的問題を抱えている人はいます。別にいい気味だというのではありません。ただ単に、弱点のない人間はいないということです。
完全主義に対処する ⑤
本当に完璧主義から抜け出したい場合は、ちょっと大変かもしれませんが、完璧すぎない練習をしてみることも大切です。(このような練習は是非カウンセラーと一緒にやったほうがよいでしょう)。
誰かが間違いに気づいたらどうしよう・・・。
そのような考えが浮かんだ場合は、これまでのブログを読み返して、「それがどうしたの?誰も死ぬわけじゃないでしょ?
そもそも完璧な人なんていないでしょ?」と考えてみてください。